イタリアで「脱獄の魔術師」と呼ばれる服役囚が4度目成功
12月7日未明、伊ミラノ近郊にある最高警備施設のオペラ刑務所から、「脱獄の魔術師」と呼ばれる服役囚が脱獄に成功して話題になっている。アルバニア国籍のタウラント・トマ服役囚(41=写真はイタリア刑務所警察提供)で、今回の脱走は2009年の伊テルニ刑務所、13年の同パルマ刑務所、同年のベルギーのランティン刑務所からの脱獄に続き、4度目の成功事例だ。
伊当局によると、トマは6日夜から7日未明にかけての交代時間帯を狙い、独房の鉄格子をノコギリで切断。結び合わせたシーツを使って窓から約10メートル降下し、6メートルの外壁をよじ登って逃走した。脱走は午前8時の点呼で発覚した。
捜査当局は現在、刑務所の防犯カメラ映像を分析し、切断工具の入手経路や周囲の状況を詳しく調べている。伊警察は全国規模の捜索を開始し、パトロール、検問、国境警備を強化。出国を警戒し、欧州全体での情報共有も行っている。9日現在、トマの行方は分かっていない。
トマは強盗、窃盗、麻薬密売、銃器取引などの罪で有罪判決を受け、服役期間は23年後の48年10月までとなっている。
イタリアの刑務所は服役囚の深刻な過密状態と職員不足に直面しており、今回の脱獄事件の背景だと指摘する声が上がっている。


















