相次ぐ日系企業の中国撤退の要因は「政治リスク」ではなかった?
キヤノンは11月、中国・広東省中山市のプリンター工場を閉鎖した。同工場は2001年に設立。プリンターや複合機などを生産していたが、現地メーカーの台頭やペーパーレス化により事業環境が悪化していたという。プリンター市場では米HP(ヒューレット・パッカード)とキヤノンが上位を占めるが、現地ではレノボやパンタムなどが台頭しつつある。
近年、日系企業による中国撤退が止まらない。中国に進出する企業の数は、12年のピーク時に1万4394社だったが、24年には1万3034社となり、約1000社が減少した。撤退が新規参入を上回る「純減」の年もある(帝国データバンク)。
「第1次トランプ政権の頃から米中の対立が深刻化し、貿易戦争にまで発展した。中国当局による圧力やセキュリティー上の懸念など、『チャイナリスク』も認識され、拠点を東南アジアにシフトする動きがある」(M&A関係者)
実際、京セラは複合機の生産拠点を、沖電気工業もATMの生産拠点を、それぞれ中国からベトナムに移管した。
■自動車業界が続々撤退


















