M-1グランプリ優勝の「たくろう」に5年半前、徹底して注意したこと
取材から5年たち、課題をクリアしてバージョンアップしてくれました。具体的に言うと、これまでのきむら君のネタふり→赤木君のボソボソボケ→ツッコミ、というオーソドックスな構成から、むちゃブリ(ボケA)→思いつきのむちゃな答え(ボケB)と、ツッコミを省いた、たくろうらしい「ダブルボケ」の形にして、説明をカット。赤木君のスローなしゃべりでも十分なボケ数を確保しました。それまで無理やりで意味不明な部分が多かった赤木君のボケが、むちゃブリに“仕方なく”意味不明なボケを言うという必然性が生まれ、より言葉に力が出ました。
M-1の翌日、きむら君から優勝報告の電話をもらいました。「(赤木君の)語尾ハッキリ聞こえたぞ!」と言うと、赤木君のしゃべりを生かすために1年ほど前から取り組んできたとのこと。「僕らはエッジの利いたツッコミもインパクトの強いボケもできませんから、目の前のお客さんに笑ってもらうことだけ考えてます」と原点回帰を強調。「お世話になったみなさんに感謝しかありません。これからも劇場に出続けたいです」とうれしいことを言ってくれました。
赤木君は「もうアルバイトをしたくない」と言ってましたが、バイトをする暇がなくなるほど仕事が増えることでしょう。



















