著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

掛布雅之さんの一言「やっぱり野球が好きだったんでしょうね」には半端ない重み

公開日: 更新日:

 プロ野球選手としては決して大きくない体で、ヒットを打ちまくり、後にはホームランも量産され、スターへの階段を駆け上がっていく雄姿に何度となく励まされました。私事ですが1975年、高2の夏休みから7年にわたり入院・療養生活を送っていた時代があり、当時、心の支えが掛布さんの活躍でした。

 それから10年が経ち、月亭八方さんの番組のゲストで出演され、仕事でご一緒できる機会に恵まれました。ヒットメーカーだった掛布さんが突然ホームラン打者に転身された理由を聞くと「トレードで田淵(幸一)さんがいなくなったので、自分にホームランを求められる、打たなきゃいけないと思って。ホームランはある角度にバットの芯を当てないとボールが上がらないから、オフシーズンにスポーツメーカーの方にスポンジボールを作ってもらって、家でほとんど無休でバットに当てる角度の練習をしてましたね」と秘密が明かされ、才能だけでは片付けられない、たゆまぬ努力があったことを知り驚きました。

 ケガについても「ひどい時は膝が痛くて家の階段を這って上がってましたね。でも痛み止めの注射を何本か打ってもらって、テーピングでガチガチに固めて、“元気だよ”って笑って、心では痛みで泣いてました。プロですから弱みを見せちゃだめですからね。そういう選手は多かったですよ」と壮絶なプロの世界の一コマを語ってくださいました。そこまで体を酷使し、続けてきた理由に、「やっぱり(野球が)好きだったんでしょうね」の一言の重さは半端ないものでした。

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