伊吹吾郎さんは「謙虚・誠実・実直」を絵に描いたようなステキな俳優だった
「水戸黄門」の格さんでおなじみだった伊吹吾郎さん。謙虚・誠実・実直を絵に描いたようなステキな方でした。
丁重な挨拶のあとの第一声は「フリートークって緊張してしまうんですよね」。吸い込まれそうなキラキラした瞳をまっすぐに向けて苦笑されて、打ち合わせ早々、額の汗をハンカチで拭っておられた姿が人柄を表していらっしゃいました。
伊吹さんが初主役の、人気劇画原作の時代劇「無用ノ介」の大ファンだったと告げると「そんな時から見てくださってるんですか? うれしいな!」と、大きな目を一段と見開いて照れ笑いをされながら喜んでいらしたのが今でも印象に残っています。
打ち合わせを終えると、番組中で披露する趣味のフラメンコギターの練習を始めました。私からすればとても上手に感じるのですが「違うな、緊張して指の動きが悪いんですよ。もう一回いいですか? ……う~ん、まいったな」と納得がいかない表情で「もう一回だけ!」とまた演奏をされました。ちょっと困った顔で「お時間とらせてすいません。本番で失敗したらごめんなさいね」と本当に申し訳なさそうに言われる謙虚すぎる姿に一層ファンになりました。


















