著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

われわれが食べる理由…それは「不快感」をなくすため

公開日: 更新日:

 私たちがご飯を食べる理由は、「食べるとおいしい(快感やご褒美と感じる)から」だとよく思われています。しかし、アメリカのハワード・ヒューズ医学研究所のベットリーらは、「お腹がすいているという不快感をなくすため」に食べているのではないか? という仮説のもと、マウスを使った実験を行いました。

 マウスの脳内には、「空腹を感じさせる神経」と「喉の渇きを感じさせる神経」が存在します。そこで、この特定の神経だけを光や薬で「オン(活動させる)」「オフ(活動を止める)」にするようにしたのです。例えばマウスが特定のフレーバーのエサを食べた時や、特定の部屋に入った時に、「空腹の神経」や「渇きの神経」を強制的にオンにするという具合です。

 そのうえで、自由に動くマウスの頭にとても小さな顕微鏡を取り付け、お腹をすかせたマウスの前にエサを置いたり、エサに似せた“ただの木の切れ端”を置いたりして、神経の反応をリアルタイムで観察しました。

 その結果、どうなったか?

「空腹」や「渇き」の神経をオンにされたマウスは、その時にいた部屋や食べた味を嫌がって避けるようになり、オフにしてもらうと、その部屋や味を好むようになりました。つまり、空腹の神経が働くだけで、マウスは「とても不快なこと」だと感じてしまうことが分かったのです。

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