われわれが食べる理由…それは「不快感」をなくすため
私たちがご飯を食べる理由は、「食べるとおいしい(快感やご褒美と感じる)から」だとよく思われています。しかし、アメリカのハワード・ヒューズ医学研究所のベットリーらは、「お腹がすいているという不快感をなくすため」に食べているのではないか? という仮説のもと、マウスを使った実験を行いました。
マウスの脳内には、「空腹を感じさせる神経」と「喉の渇きを感じさせる神経」が存在します。そこで、この特定の神経だけを光や薬で「オン(活動させる)」「オフ(活動を止める)」にするようにしたのです。例えばマウスが特定のフレーバーのエサを食べた時や、特定の部屋に入った時に、「空腹の神経」や「渇きの神経」を強制的にオンにするという具合です。
そのうえで、自由に動くマウスの頭にとても小さな顕微鏡を取り付け、お腹をすかせたマウスの前にエサを置いたり、エサに似せた“ただの木の切れ端”を置いたりして、神経の反応をリアルタイムで観察しました。
その結果、どうなったか?
「空腹」や「渇き」の神経をオンにされたマウスは、その時にいた部屋や食べた味を嫌がって避けるようになり、オフにしてもらうと、その部屋や味を好むようになりました。つまり、空腹の神経が働くだけで、マウスは「とても不快なこと」だと感じてしまうことが分かったのです。


















