「IOCがこの時期の開催だと決めていたんで、これ以外は考えられないという反論。こういうのを語るに落ちるというんです。五輪招致が目的で『アスリート・ファースト』は嘘八百ですよ」
久米さんの気骨に救われた。そして昨年秋、本紙の「創刊50周年特別号」に寄稿依頼すると、「ありがたい言葉」の理由が記してあった。
「荒海に浮かんでいるブイでしたから」
筋を通す裏で、さまざまな苦労があったに違いない。本紙も反骨の端くれ。久米さんの「千万人といえども吾往かん」という心境の支えになっていたのなら光栄だ。
今のメディアには「久米宏」が圧倒的に足りない--。ご冥福を心からお祈りします。
(今泉恵孝/日刊ゲンダイ)