追悼・久米宏さん 今のメディアには「久米宏」が圧倒的に足りない
軽妙洒脱な語り口に反骨精神を常に漂わせている人だった。フリーアナウンサーの久米宏さんが死去した。81歳だった。
記者が久米さんと対面したのは2017年の夏。「久米宏 ラジオなんですけど」に電話出演したのを機に、インタビューを申し込むと快諾してくれた。テーマは「私が東京五輪の開催に反対する理由」。まだコロナ禍前だ。公式スポンサーに名を連ねた大新聞と系列局が五輪狂騒をあおる中、久米さんは反対を公言する数少ない一人だった。
ちゃめっ気たっぷりに持論を展開しながら「『今さら反対してもしようがない』。その世論が先の大戦を引き起こしたことを皆、忘れているんですよ」とピシャリと挟む。まさに立て板に水。ありがたい言葉も頂戴した。
「ニュースステーションの本番前には必ず日刊ゲンダイを読んでいた」
記事掲載後、間もなく五輪組織委員会から「酷暑の開催は非常識の極み」との表現にクレームが入った。聞けば久米さんの事務所にも抗議の手紙が届いたという。迷惑をかけたと悔みながら、その週の「ラジオなんですけど」を聴いた。


















