猛獣の冬眠直前、最後のソロ合戦で名実ともにビートルズは「4人」になった
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アルバム『アビイ・ロード』(1969年9月26日発売)⑩
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■『ゴールデン・スランバー』
前回紹介した『サン・キング』からのジョンの曲を中心としたメドレー前半は、正直言って、冴えない曲をつないで形にしたという感じだったが、ポールが主導する、メドレー後半の4曲(というか3.5曲か)は迫力がグッと上がる。
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まず『ゴールデン・スランバー』は正直、メドレーの中に埋もれさせるのがもったいない名曲だ。ポールのがなり声も素晴らしい。
タイトルは「黄金の眠り」、転じて「快眠」ぐらいの意味。ビートルズという猛獣が冬眠に入るタイミングの曲としてふさわしい。
■『キャリー・ザット・ウェイト』
「重荷を背負って生きていけ」という、メッセージの曲である。
「ビートルズがいないという重荷を背負って、来たる70年代を生きろ」というポールからのメッセージのようにも聴こえてくる。途中『ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー』のフレーズが出てきて、いわゆる「リプライズ」(アルバムの中ですでに流れた曲が再度登場すること)の形となる。こういうのを作らせたら、ポールは実にうまい。
ややぎこちない感じでつながれて、次の曲へ。
■『ジ・エンド』
そしていよいよ「ジ・エンド=大団円」。演奏者としてのビートルズの総括ソング。
まずは、やはりリンゴによるドラムソロだ。試聴リンク再生時間「0:20」から、ステレオ録音された立体的なサウンドで、いかにもリンゴという感じでぐんぐんスウィングする名ソロが聴ける。
その後は、ポール→ジョージ→ジョンの順によるギターソロ合戦だ。
バランスの取れたポール、雑に弾くジョンの間で、ジョージのフレーズが傑出。特に「1:21」からの飛翔するフレーズの華やかさたるや。『オクトパス・ガーデン』のイントロと間奏と並ぶ、本アルバム、ジョージによるベストプレーである。
この『ジ・エンド』によって、「ジョンとポール」ではなく、名実ともにビートルズは4人となったのだ。
締めの歌詞「最終的に(ジ・エンド)君が得る(テイク)愛は、君が生み出す(メーク)愛の量と同じ」というフレーズは「愛=LOVE」という言葉が特別な意味を持った60年代の終わりに実にふさわしい。
■『ハー・マジェスティ』
「あんまりマジになるなよ」という感じのポールの小曲で締め。最初の「♪ダーン」は元々『ミーン・ミスター・マスタード』のエンディングの音だったらしい。
「♪女王陛下はいかした娘」という歌詞は、イギリス人の軽妙なユーモア感覚を表していると言われ聞かされ続けてきた。
有名人が女性首相を批判すると炎上する57年後の日本とえらい違いやな。
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