東京の病院「66%が水没」の衝撃! 首都を襲う高潮で医療崩壊も…防災のプロが訴える「災害前にできること」
近年、全国的に地震や豪雨、大型台風などの自然災害が相次いでいる。今後、日本では南海トラフ巨大地震や首都直下地震など、大規模地震のリスクも高まっている。そんななか、今年11月には防災庁が設立される。この機会に「災害で死なない国づくり」について考える一冊が発行された。新刊「防災行政」には、防災のプロフェッショナル9人の経験に基づいた提言がまとめられている。9月1日の防災の日には記念講演が行われ、著者の1人で、元東京都江戸川区土木部長として長年水害対策に携わり、現在リバーフロント研究所審議役を務める土屋信行氏が現場の実態を振り返った。
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土屋氏は災害現場などでの経験から、まず避難所の問題点を語る。
「今、避難所ではパーティションを使うようになってきました。これは10年前の熊本地震からすれば、大きな進展だと思います。ただ、その質は段ボール、紙一枚なんです。段ボールベッドも、今までのように地べたで生活するよりははるかにいい。しかし、パーティションは上が開いていて、十分なプライバシーが確保されているとは言えません」
イタリアや台湾の避難所が注目されているが、こうしたところではテント式の完全な個室を用意。3万円程度で、20秒ほどで組み立てられるものもあり、それを常備してすぐに運び込めるようにしているそうだ。
一方、段ボールは基本的に使い捨てで、最後はゴミになる。その処理も大きな負担だ。
もう一つ、現場で気になるのが食事だという。
「避難所で配られているものを見ると、パンやおにぎりなど、日持ちしやすい食品に偏りがちです。しかも、避難物資を一カ所に大量に集めるため、食べ切れないまま賞味期限を迎える食品も出てきます。私たちが東日本大震災の現場に支援部隊として入った時も、自治体から依頼されたのは、賞味期限が切れた物資を焼却場へ運ぶ仕事でした。私たちのチームは、1週間にわたって廃棄処分だけをして帰ってきました。つまり、食料が足りないだけが問題ではないのです。大量の食料が集まっているのに、必要な人へ適切な形で届けられず、最後は廃棄されてしまう。これは今も災害現場に共通する大きな課題だと思います」
さらに問題なのは、食事の中身だ。避難所では炭水化物中心の食事になりやすい。
「量は十分にあっても、それだけでは健康を維持できません。高齢者や持病のある人には、やわらかい食事や栄養バランスに配慮した食事を継続して提供できる仕組みが必要です。能登半島地震でも多くの災害関連死が生じました。避難所の住環境や食事、医療など、直接の地震被害とは別のところで命や健康が損なわれる。その現場の実態を見直す必要があると思います」


















