曇天が心に落とす影…日照ゼロや気温上昇でメンタルヘルスが悪化する
精神的な健康状態(メンタルヘルス)に影響を与える要因の一つに気象条件を挙げることができます。例えば、日照時間の短さは不安や抑うつ症状に関連していることが知られています。
一方、これまでに報告されている研究の多くは極端な気象条件に焦点を当てており、日常的な天候の変化とメンタルヘルスの関連性については、質の高い研究データが限られていました。そのような中、気象条件とメンタルヘルスに関連した医療サービスの利用動向を調査した研究論文が、精神医学の専門誌に2026年6月30日付で掲載されました。
英国で実施されたこの研究では、14~22年の間に、メンタルヘルスの悪化を理由に利用された医療サービス460万件以上のデータが分析対象となりました。分析された医療サービスは電話相談、一般開業医の時間外受診、救急外来の受診でした。また、地域ごとの平均気温、日照時間(直射日光が届いている時間)、降水量のデータが収集され、医療サービスの利用状況と気象条件の関連性が解析されています。その結果、電話相談や救急外来の受診は気温の上昇に伴い増加し、電話相談はマイナス3度で最も少なく、18.1度で最も多くなりました。救急外来も同様にマイナス2.5度で最も少なく、24.7度で最も多くなりました。また、日照時間が10時間と比べて、0時間(つまり曇り)では、電話相談が6%、一般開業医の時間外受診が6%、救急外来の受診が4%増加しました。なお、降水量と医療サービスの利用には一貫した関連性を認めませんでした。
論文著者らは「気象条件を考慮することで、医療サービスの需要変動を予測することができるかもしれない」と考察しています。



















