「海峡の女神」伊東潤著│病院戦として使われた元豪華客船・氷川丸
「海峡の女神」伊東潤著
1万1622トンの豪華客船として造られた氷川丸は、戦争中は病院船として使われた。さまざまな治療薬のほかに、木棺用の松材も積み込んでいた。氷川丸には砲が備えられておらず、赤十字のマークも描かれている。
病院船はジュネーブ条約で保護されることになっているにもかかわらず、敵の潜水艦から雷撃されるようになり、威嚇用の8センチ砲が装備されたが、一度も使われずに終わった。
氷川丸の軍医、河野順平が深い眠りに落ちていると、空襲警報のサイレンが鳴り響いた。河野は救命胴衣と鉄帽を身に着け、デッキに出た。探照灯の光の中に敵機が映っていた。
「海峡の女神」と呼ばれた氷川丸を描いた小説。 (光文社 2090円)


















