今も歩くのに苦戦…元プロレスラー武藤敬司さん人工関節手術を語る
武藤敬司さん(元プロレスラー/63歳)=変形性膝関節症・変形性股関節症
去年、両脚の人工股関節置換手術をして、過去にやった両膝とあわせて計4カ所が人工関節になりました。それって結構大変で、バランスがとりづらくて今も歩くのに苦戦しています。
始まりは24歳のとき。右膝を動かすたびにひっかかるようになり、半月板を3分の2ぐらい除去する手術を受けました。今はあまりおすすめしないみたいですが、おかげさまでその後もずっと試合に出続けられました。
でも結局、その後に両脚が変形性膝関節症になり、2018年に両膝の人工関節置換手術を受けました。本当は40歳ぐらいの頃、「痛くて我慢できないから人工関節にしよう」と考えたときがあったのです。ところが、医師に「膝を人工関節にしたら試合はできない」と言われ、手術を断念しました。
数年たって、仕事で共演したK-1ファイターの武田幸三氏が私の膝の様子を見て、「いい先生がいるから紹介しますよ」と教えてくれたのが、2018年に手術をしてくれた先生です。決め手は「膝を人工関節にしても試合はできる」という一言。両脚同時に手術してもらいました。
麻酔から覚めたら、すぐリハビリでした。2週間で退院して、自宅でも自主トレを欠かしませんでした。ただ、以前よりも可動域が広がったことがうれしくて、手術から4週間目ぐらいでスクワットをやってみたら、膝蓋骨(膝のお皿)が折れてしまいました。純正の骨より人工関節が勝ってしまうんですね。痛くはなかったですが、先生にすごく怒られました。本来なら動かさなければいけないリハビリ期に骨折して固定しなければいけなくなって、治るまでに余計な時間がかかってしまいました。
そのちょうど1年後、グレート・ムタとしてニューヨークでの試合で復帰を果たし、2021年には「プロレス大賞」のベストバウト(年間最高試合)に選ばれ、GHCヘビー級のチャンピオンにもなりました。
しかし、膝が良くなったと思ったら、今度は股関節に無理がかかったのか、変形性股関節症になり、医師から「人工股関節は膝と違って外れやすいので、手術をしたら試合は絶対に無理です」と言われました。痛みを抱えながら1年近く我慢したのですが、納得のいくパフォーマンスができなくなったので手術を決意し、2023年に引退しました。
手術を受けたのは2025年春。膝のときと同じ先生でした。片脚2.5時間で計約5時間の手術です。先生は「膝の手術より楽だった」と言っていましたが、膝よりも股関節は体の幹の方だから、自分としてはしんどかったですね。
そもそも膝を壊した原因は、私の代名詞であるプロレス技「ムーンサルトプレス」だったようです。コーナーポストから宙返りするように飛んでボディープレスするのですが、しこたま膝を打つんです。それを毎日やっていましたからね。
膝の手術をする前に、先生から「もうムーンサルトプレスはダメ」と言われ、「さよならムーンサルトプレス」と題した興行を打ったんです。自分もそれで最後のつもりでいたんですけど、何度目かの防衛戦でついやっちゃったんですよ。そのときは無事でしたが、先生からはもちろん、家内からもしっかり怒られました(笑)。
そんなことをしているから、股関節もおかしくなって今に至っています。


















