年商77億円から倒産…「飲食のカリスマ」が明かす辛い過去
お客の目の前で、軽快なリズムと手さばきで、厳選された高級和牛を最もおいしい状態で提供する料理人。この男性、岡田賢一郎氏は2000年代の外食産業でカリスマといわれた経営者だった。
「美食酒家ちゃんと。」「ケンズダイニング」といった創作料理店を立て続けにヒットさせ、06年にはニューヨークにも出店。最盛期は65店舗、年商77億円を誇る「株式会社ちゃんと」のトップに君臨していた。「日経レストラン」のメニューコンテストでグランプリを受賞した「キムチの王様」をはじめ、今流行のドライエイジングビーフをいち早く商品化したのも岡田氏だった。
しかし、その勢いは続かなかった。11年に約31億円の負債を抱え、民事再生法の適用を申請した。
まさに、天国と地獄を見た岡田氏は現在、東京・西麻布の和牛専門焼き肉レストラン「ジ イノセントカーベリー」の総料理長として腕を振るっている。岡田氏に経営者当時の話をしてもらった。