パソコンは打たない68歳 桜田義孝大臣は高齢者でも少数派
「自分でパソコンを打つことはない」――サイバーセキュリティー基本法改正案を担当する桜田義孝大臣(68)の発言が物議を醸している。
そんな状況でサイバー空間の問題を理解できるのかと聞かれると、「私の事務所や国が総力を挙げてやること。落ち度はない」とワケの分からない弁明をした。
確かに高齢者は、パソコンやインターネットを活用する割合が相対的に低い。ただし、本当に使わないのは少数派だ。これは各種のデータからもはっきりしている。
内閣府の「主要耐久消費財等の普及・保有状況」(17年3月末現在)によると、2人以上世帯のパソコンの普及率は76.7%。この数字は70歳以上になるとガクンと下がるためで、桜田大臣が含まれる60~69歳は80.4%に上る。衣類乾燥機(2人以上世帯の全体で56.3%)、食洗機(同32.4%)の普及率を上回り、乗用車(79.1%)に匹敵する高い数字だ。
インターネットも、桜田世代は結構使っている。総務省の通信動向利用調査によると、17年末時点でインターネットの人口普及率は80.9%に上る。日本の人口は1億2644万人(今年10月1日現在)だから、利用者数はざっと1億230万人だ。60~69歳も、73.9%がインターネットを利用している。うち男性は78.9%。桜田大臣のように60代男性でインターネットを使わないという人は、2割程度しかいないのだ。