「死ぬのがそんなに迷惑か?」という居直りこそが人の尊厳
週刊誌や新聞にあふれる「終活」の文字。「『幸福な最期』迎える作法」(サンデー毎日)、「ボケたら、死んだら手続き地獄が待っている」(女性セブン)と、ご丁寧に“死に方”の解説までしてくれる。だが、腹が減ったらご飯を食べるし、時が来れば誰だって死ぬ。余計なお世話にも思える。
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「これで最後『終活年賀状』…感謝添えて区切り」(朝日新聞)――。
こんな記事が最近多くの読者に読まれている。その背景には、年寄りは世間の邪魔にならないようにつつましく生き、死んだ後も家族に迷惑をかけてはいけないという現役世代の都合がある。
そして「老害」批判もよく見かける。選挙にも行かないような若者が、高齢者を批判して留飲を下げる。クレーマーの多くは高齢者といった話もでっち上げの類いだ。