自分で築いた財産は残さず死ぬまでに使い切るという選択肢
最近は、死亡した際に必要な手続きを懇切丁寧に紹介した記事を目にすることが多い。子供からすれば、親が死んでから慌てたくないという思いがあるし、子供に迷惑を掛けたくないと考える親も少なからずいるだろう。「葬儀代ぐらいは自分で……」――こんな高齢者向けの保険のCMを見かけることも増えた。だが、死ぬ時のことを考えてカネを残そうとする必要はない。自分が稼いで築いた財産であれば、堂々と使い切ればいいのだ。
冠婚葬祭サービスの「くらしの友」の「2015年版現代葬儀白書」によると、葬儀費用の総額は平均212・1万円。小規模化の傾向が顕著になってきているため、5年前に比べて平均30万円ほど減少したそうだ。あなたが死ぬ頃には、必要な金額はもっと少なくなっている可能性が高い。それだけ子供の負担も軽くなっているはずだ。
もしもあなたがまだ働いていて、国民健康保険や会社の健康保険などに入っている場合は、喪主が申請すれば葬祭費や埋葬費などの名目で補助金も受け取れる。金額は数万円程度だが、もらわないよりはマシだ。