小島慶子さんは「エア離婚」…夫婦関係悪化or修復の分岐点

公開日: 更新日:

 夫婦が取り交わしたタイミングでの離婚を視野に入れ、準備する段階を「エア離婚」というそうだ。タレントの小島慶子さん(48)の造語で、「婦人公論.jp」に掲載されたインタビュー記事が話題を呼んでいる。そんな提案を受けた夫はどうだろうか。「いつでもサインするよ」という“破綻予備軍”はともかく、そうでなければ多くの男性は驚くだろう。が、意外にも関係がビミョーな熟年夫婦ほど「エア離婚」が歩み寄りのキッカケになるかもしれないという。えっ、どういうこと?

 ◇  ◇  ◇

「婦人公論」によれば、小島さんが夫に違和感を抱いたのは、長男が生まれた直後。妻が子供にかかりきりで構ってくれないとすねた夫は歓楽街に繰り出し、女性をモノのように消費したという。その姿に女性蔑視を強く感じた一方、家ではそしらぬ顔で優しい良き夫を演じる二面性が恐ろしかったそうで、「死を思う夜もありました」と語っている。その後、次男も生まれ、2人の息子が14歳と10歳になったとき、家族会議を開く。子供にもきちんと夫の行動を説明した上で、小島さんの心の中では「子育て終了後の離婚を念頭に置いて今から準備を進めよう」と決意。それから2年がかりで夫に「エア離婚」の同意を取りつけたという。

 子供の出産直後、妻が育児に専念するのは当たり前。そんな妻の対応に夫がすねて、風俗や浮気に走るのもよくある話だろう。結婚と出産は、夫婦のハッピーロードの序盤。幸せが右肩上がりで膨れ上がるライフステージに早くも溝が横たわっていることを、小島さんの「エア離婚」は突きつけている。男女問題研究家の山崎世美子氏が言う。

「妻が何らかのタイミングで夫の女性問題に気づいたら、もちろん怒ります。その後の夫の態度で時間とともに怒りが薄れることはあっても、忘れることはありません。夫の対応がマズければ、溝は少しずつ広く、深くなるのです」

 なるほど、婦人公論の記事には、こんな一節がある。小島さんはコロナが広がる直前の今年1月、家族でタスマニア島を訪れ、夫婦2人になったとき、くだんの女性問題の話に。「まだ考えがまとまらないんだ」と夫がこぼすと、「16年も経つのに? 考える勇気がないんでしょう。お願いだから離婚して」と突きつけたそうだ。長男誕生から16年、溝が深まっていったことがうかがえる。

 それにしても、これほど溝が深まっていながら「エア離婚」状態だと、夫婦が歩み寄るキッカケになるとは、どういうことなのか。

「お互い、将来の離婚について合意している、この事実がとても大きい。見せかけの夫婦である必要がなくなるため、『夫婦だから○○しなくちゃ』という義務感から解放されます。そういう取り決めがなくなると、意外と相手と向き合えるようになり、それまで食卓を囲むことがしんどかったのに、月に1、2回は、『たまには一緒にご飯食べようか』と誘うことができたりするのです。見かけ上の夫婦のカタチは同じでも、家庭内別居とは決定的に違います。『エア離婚』で会話が増えると、1、2年で関係がよくなることは珍しくありません」(山崎氏)

 夫婦のどちらかが離婚を望んでも、もう一方が認めないことで別居になる。家庭内でも家庭外でも、合意はない。それゆえお互い顔を合わせることを嫌がる。たとえば子供の運動会などでたまに家族一緒の時間を持つと、取り繕った夫婦を装うからギクシャクする。

 小島さんは、夫と子供がいるオーストラリアと離れて日本で暮らしている。タスマニア島への旅行から半年ほどで、ある動画をキッカケに夫から反省の言葉を送られると、「変わっていく彼となら生きられるかも」と話している。歩み寄りの姿勢が見える。

 熟年離婚を巡る動きで対照的なのが、歌手・水前寺清子さん(75)のケースだ。夫のパワハラに31年もの間、耐え抜いた末、離婚していたことが報じられた。関係者の前で罵倒されても辛抱していたのは、事務所スタッフやマネジャーだった姉のためを思ってのこととされる。姉が亡くなり、コロナで仕事がリセットされたことで、守るべきものから解放され、“断捨離”を決意したらしい。

「パワハラは夫婦関係以前に人として論外の行為で、DV夫は捨てられて当然です。しかし、性格の不一致や女性関係が夫婦関係の亀裂の原因でも、水前寺さんのケースのように突然の離婚宣告になることがあります。それが嫌で、離婚したくなければ、男性は妻の話によく耳を傾けること。離婚につながるサインを出しますから」

 山崎氏はそう言うが、「エア離婚」で踏みとどまれるケースと突然の離婚宣告に苦しむケースは何が違うのか。山崎氏に聞いた。

歩み寄りか、突然の三下り半か…徹底分析

■文句や改善要求を無視しない

 夫婦仲が悪くなれば、お互い文句を言ったり、ダメ出しをしたりする。

「妻は離婚を決意する前に夫に改善を求める傾向があり、それがダメでどうでもよくなると、何も言わなくなります。何かを言われているうちは、まだ離婚回避の可能性があり、嫌でも話を聞くこと。小島さんの夫も16年かかって、自分のことを反省。その結果、小島さんの心境に歩み寄りの気持ちが芽生えています」 妻の文句が止まったら……。

「そうなると、男性は『やっと小言がやんで、楽になった』と軽く考えるのですが、それが間違いです。何も言われなくなって、家庭の雰囲気がよくなったかというと、そうではない。妻は何となく不機嫌で、妻がいるリビングに会社から帰ったりすると、ビミョーな空気を感じます。そんなムードから逃げて、妻が寝るころに帰宅したりすることを続けると、夫婦の溝は広がる一方。妻は夫に内緒で、突然の離婚宣告に向け、準備を始めているかもしれません」

■10日に1回でも食事を一緒にとる

 明治安田生命の調査によると、コロナで夫婦仲が「よくなった」のは19.6%。「悪くなった」6.1%の3倍超。在宅勤務などの拡大で、会話や食事をともにすることが増え、夫婦の溝が埋まったと分析している。

「私の相談者にも、『エア離婚』状態の人がいます。その中で、本当に離婚に向かうか、回避できるかは、同じ時間を共有できるかどうかで分かれます。1週間に1回、あるいは10日に1回でも、定期的に食事などができる人は、『エア離婚』状態から歩み寄れる可能性があるでしょう」

■相手にパートナーが現れると…

 小島さんは次男の大学入学を「エア離婚」を見つめ直す期限に設定。そのタイミングで本当に離婚するか、事実婚状態になるか、入籍したまま同居するか考えるという。

 離婚を考える夫婦にとって子供の成人はひとつのタイミングだろうが、すでに成人を迎えていると、突然事態が動くことがあるという。

「男性も女性も、50歳から60歳の年代は、“最後にもう一花”と思うことがあります。そんな女性が『エア離婚』状態で、生活力のある男性と出会ったりすると、かなりの確率で離婚を急ぐ。夫には、突然の離婚宣告につながりやすいでしょう。今や共働きの時代。女性に経済力があればなおさらです」

 ◇  ◇  ◇

「エア離婚」で文字通り“空気な関係”になってしまうと、終わりの始まり。歩み寄るには、適度な“密”が欠かせないようだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のライフ記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    南果歩が乗り越えた渡辺謙との壮絶離婚…支えた長男は新進気鋭アーティストとして活躍中

    南果歩が乗り越えた渡辺謙との壮絶離婚…支えた長男は新進気鋭アーティストとして活躍中

  2. 2
    松井市長が呼びかけた「大阪雨がっぱ」36万着…あれから2年弱でどうなった?

    松井市長が呼びかけた「大阪雨がっぱ」36万着…あれから2年弱でどうなった?

  3. 3
    麒麟・川島のTBS「ラヴィット!」が支持され始めたワケ バラエティー路線の徹底が吉

    麒麟・川島のTBS「ラヴィット!」が支持され始めたワケ バラエティー路線の徹底が吉

  4. 4
    元妻・神田沙也加さんの愛犬引き取り慈しむ村田充 ネット上に「みつさん、ありがとう」の声溢れる

    元妻・神田沙也加さんの愛犬引き取り慈しむ村田充 ネット上に「みつさん、ありがとう」の声溢れる

  5. 5
    日ハムは新庄監督主導で地獄のキャンプに コーチ陣「結果出なきゃ1年でクビ」で戦々恐々

    日ハムは新庄監督主導で地獄のキャンプに コーチ陣「結果出なきゃ1年でクビ」で戦々恐々

もっと見る

  1. 6
    10歳の沙也加さんの前で母・聖子は仏頂面…神田正輝との“愛情格差”をベテラン記者は見た

    10歳の沙也加さんの前で母・聖子は仏頂面…神田正輝との“愛情格差”をベテラン記者は見た

  2. 7
    東出昌大に「コンフィデンスマンJP」続編降板説…“英雄編”PRに姿なく質問NGで憶測飛ぶ

    東出昌大に「コンフィデンスマンJP」続編降板説…“英雄編”PRに姿なく質問NGで憶測飛ぶ

  3. 8
    細川ふみえの入浴剤CMを見て「フーミンは“さげまん”なんだよ」という言葉を思い出した

    細川ふみえの入浴剤CMを見て「フーミンは“さげまん”なんだよ」という言葉を思い出した

  4. 9
    2022年冬ドラマはコレを見る! オススメの3本を早出し

    2022年冬ドラマはコレを見る! オススメの3本を早出し

  5. 10
    山本淳一は「妻をソープ送り」報道…光GENJIの“哀れな末路”

    山本淳一は「妻をソープ送り」報道…光GENJIの“哀れな末路”