アベノマスク“完売御礼”大ハシャギのマヤカシ 配布希望2.8億枚に対し応募件数は37万件
配布開始からおよそ2年。8000万枚超も在庫が積み上がったアベノマスクの無償配布に応募が殺到したとかで、“諸悪の根源”が大ハシャギだ。安倍元首相は「2億8000万枚の希望があった」「もっと早くやっておけばよかった」とドヤ顔だったが、全戸配布時と同じ「1人2枚」で1.4億件の応募があったわけではない。
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実際の応募件数は約37万件。希望枚数とは3桁違う。最小単位を「100枚」としたことで積み上がった数字で、都合のいいデータを切り取るイカサマは相変わらずである。
厚労省が配布希望を募ったのは、昨年12月24日から年明け1月28日まで。岸田首相が「今年度内廃棄」を決めたのを受けた措置。岸田首相に「愚策」の烙印を押され、キングメーカー気取りの安倍元首相はイライラを募らせていた。一変したのは1月27日の安倍派の会合だ。
ゴキゲンで現れた安倍元首相は「皆さまにご心配をおかけしておりました、安倍政権当時に国民の皆さまに配布をいたしました布マスクでございます。通称別の名前がございますが、あえて私が言うとそこだけ切り取られますので言いませんが」と冗舌。ご満悦で2億8000万枚希望を報告すると、笑いと共に拍手が沸き起こった。取り巻き連中にもマサカの展開だったようだ。
発送費は推計3億円
厚労省のホームページにはこう記してある。
〈合計で約37万件の申出がありました。配布希望の枚数については、現時点でサンプル調査に基づいて推計すると、約2.8億枚以上となり、国の在庫約8,000万枚を上回る見込みであることから、売払いは実施しないこととします〉
今後は1カ月程度で配布枚数などを精査し、その結果や配布方法を公表。3月上旬をメドに配送を順次開始する見込みだ。
松野官房長官も31日の会見で「現時点で配布の仕方や配送費用などを示すのは困難」と語ったが、配送料だってバカにならない。例えば日本郵便の「ゆうパック」の場合、最小サイズを利用したとしても、総額は約3億円に上る。
■ドヤ顔で消せない総額490億円のムダ
会計検査院の報告によると、アベノマスクは調達契約に442億6338万円。汚れ付着や毛髪混入などの発覚による検品業務委託に7億75万円、在庫の配送・保管費用(昨年3月まで)に6億96万円を計上。さらに在庫の「不良品率15%」を判明させた検品費用20億9000万円、処分費用6000万円、今年3月までの保管費用9億円ほどを追加。これに配送料が乗っかれば、約490億円になる。
世紀の愚策につぎ込まれた血税を思えば、ドヤ顔などできっこない。