2023年に還暦を迎える人のお金事情…平均貯蓄額は3454万円も実際は?
俳優の唐沢寿明やお笑いのダウンタウン(浜田雅功、松本人志)、歌手の今井美樹、香西かおり……。共通項は? そう今年、還暦の人たちだ。「えっ、もうそんな年か」と思うかもしれないが、みんな1963年生まれで2023年は満60歳。約157万人いる“還暦人”のお金事情はどうなっているか──。
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貯蓄額の平均は3454万円。今年60歳になる人を対象にした「2023年の還暦人に関する調査」(プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命=PGF生命)の結果だ。
総務省の調査によると、今年還暦の男性は78万人、女性は79万人で合計157万人。貯蓄額(配偶者がいる場合は夫婦2人分)のボリュームゾーンは全体の25%以上を占めた「100万円未満」だ。その次が「100万~300万円未満」の13.0%。両方を足した「300万円未満」は38.2%に達する。
来年還暦を迎える58歳のサラリーマンはこう言う。
「お恥ずかしい話ですが、ウチの貯蓄額は300万円を切っています。子供は2人で、1人はまだ大学生。結婚が遅かったせいもあって、教育費はまだかかります。老後資金を蓄える余裕は正直ありません。退職金が頼りです」
退職金制度のある会社に勤めていれば、60歳などの定年時に退職金を得られる。
厚労省の「2021年賃金事情等総合調査」では退職金の平均額は1903万円(男性、大卒、製造業、勤続35年)となっている。これだけ支給されれば老後2000万円問題は難なくクリアだが、前出のサラリーマンは「退職金は1000万円に届くかどうか」だという。