五木寛之「流されゆく日々」祝12000回 ギネス更新中

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 私は今、この稿を書くに当たって、興奮と当惑の中でもがいている。五木寛之さんの「流されゆく日々」がついに1万2000回を迎えた興奮、この凄まじい偉業に対して、どんな言葉も陳腐化してしまうのではないか、という当惑である。

 この連載日刊ゲンダイの創刊と同時に1975年10月に始まった。以来、一日も原稿が落ちることなく、しかし、「その日暮らし」でストックなどないまま、「綱渡り」で連載は続いた。日刊ゲンダイは今年10月、創刊49年を迎えた。来年は50年である。つまり、この連載は半世紀にわたって、多忙を極める人気作家が休むことなく書き続けた「奇跡」の連載なのである。

 世界中、どこを見渡しても、こんな連載は見当たらない。それに伴走させていただいていることは社の誇りである。

 この連載が始まったとき、私は16歳の高校生だった。ベトナム戦争が終結した年だ。以後、戦争、テロ、大災害と激動が続くが、そんな歴史を並べるよりも50年前にタイムスリップして、セピア色の東京の街並みを想像してみてはどうか。そうすれば、この年月の長さ、重みを生々しく感じ取れるのではないだろうか。

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