狡猾な安倍政権 「GDP下方修正」は消費税10%への布石
内閣府は8日、4-6月期GDPの2次速報を公表した。1次速報の前期比6.8%減(年率換算)から大幅に下方修正され、7.1%減にまで落ち込んだ。
東日本大震災の影響を受けた11年1-3月期の6.9%減よりヒドイ数値で、リーマン・ショック(09年1-3月期の15.0%減)以来の激減だ。とてつもない経済失速だが、市場は案外、冷静だった。8日の日経平均は前日比36円高の1万5705円で引けている。
「1次速報が出たときからマーケットは下方修正を予想していたからです。事前のエコノミスト予想の平均値は7.2%減だったので、6.8%減は世の中に『想定より悪くなかった』という印象を与えられた。でも、さまざまな経済指標の実態は良くない。2次速報では下方修正されるだろうと、市場は読んでいたのです」(株式アナリストの黒岩泰氏)
しかも安倍政権にとって4-6月期GDPは悪ければ悪いほど好都合というから驚く。
「安倍首相は7-9月期のGDPをみて、消費税率10%への引き上げを判断するとしています。GDPは前年同期比ではなく、前期比(前の3カ月間)を重視します。だから4-6月期の落ち込み幅が大きいほど、7-9月期の回復は鮮明になる。政府の狙いは、そこでしょう」(市場関係者)