高野孟
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高野孟ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

選挙戦できれいさっぱり消去された原発の是非

公開日:  更新日:

 今回の選挙戦で、きれいさっぱりと消去されている争点の一つが原発問題である。前回総選挙で自民党は「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立」を公約にし、「自民党政権になっても脱原発の方向は変わらないんだな」と有権者に思わせた。が、これがとんでもない大嘘で、安倍政権は、福島第1原発の汚染水ダダ漏れ状態を放置したまま、鹿児島県・川内原発の再稼働をゴリ押しし、そこを突破できれば各地の原発も次々に再稼働させる構えだし、原発輸出外交も推進している。安倍のお友達の葛西敬之JR東海名誉会長に至っては、原発の運転再開・新設と輸出こそが成長戦略の目玉だというようなことを言いふらしているありさまだ。

 ところが、川内原発から30キロ圏内の市や町を多く抱える鹿児島3区・4区でも、野党随一の反原発闘士が立っている1区でも、原発再稼働の是非は中心争点になっていない。聞くと、政府は県を通じて、周辺市町の首長や議会を徹底的に抑え込んで、住民の不安が表面化しないよう仕組んだのだという。しかし、この安倍の手のひらを返したような公約放棄と露骨な「原発回帰」路線は、鹿児島県民のみならず全国民がこの選挙を通じて厳しく審判を下すべき重要テーマであるべきだろう。

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