古賀茂明氏「高級で勝負する“先進国モデル”へ転換すべきだ」
このままだと「新55年体制」で自民党政権が長期に続くという見方がありますが、私は前回ほど続かない、数年経たないうちに崩れるのではないかと見ています。経済が行き詰まるだろうからです。
円が1ドル=80円から120円になって、この2年間で日本の国力はガクンと小さくなりました。都心のミシュランの3つ星レストランでは、以前1万5000円~が相場だったのが、最近は3万円が普通になっています。ただ、日本円では大幅な値上げでも、ドル換算するとそうでもない。例えば、2年前の2万4000円と現在の3万6000円は同じ300ドルの価値です。外国人には割安に映り、いまや日本人が行けなくなった高級料理店で、中国や東南アジアの旅行客が食事をしています。
GDPはドル換算すると3分の1減りました。1ドル=80円の頃は6兆ドル以上あったのに、14年は4兆8000億ドル程度です。13年の1人当たりGDP世界ランキングは、何と一気に9つ落ちて24位。14年はさらに大きく下がってますから、8位のシンガポールの姿が遠くかすみ、香港にさえ抜かれたと見てよいと思います。日本は確実に貧しくなっているのです。そのうち先進国から脱落してしまうのではないでしょうか。安倍首相は「ジャパン・イズ・バック(日本は戻ってきた)」と胸を張っていますが、このままでは、「ジャパン・イズ・ゴーン(日本は終わった)」になってしまいますよ。