国際テロを助長しかねない 展望なき米軍のアフガン撤退
米国のザルメイ・ハリルザド・アフガニスタン和平担当特別代表は、9月2日、アフガニスタン駐留の米兵5400人が20週以内に撤退することでタリバンと大筋合意に達したことを明らかにした。しかし、この合意が発表された同日深夜に首都カブールでは、外国関連施設が集まる「グリーンゾーン」の近くで爆発が起こり、少なくとも16人が死亡して、119人が負傷した。この爆発事件でも犯行声明を出したタリバンは米軍撤退後のアフガン政治で主導権を握ることを目指している。
トランプ大統領はすでに今年1月23日、米軍がアフガニスタンから完全撤退する意向であることをタリバン側に伝えた。トランプ大統領は米軍のアフガニスタンからの完全撤退を来年の大統領選挙向けにアピールしたいのだろう。8月下旬から9月初にかけて行われた米国とタリバンの9回目の協議では、米軍は段階的に、あるいは14カ月以内に完全撤退する意向であることがタリバンに示されたという。