宮田律
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宮田律現代イスラム研究センター理事長

1955年、山梨県甲府市生まれ。83年、慶應義塾大学大学院文学研究科史学専攻修了。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程修了。専門は現代イスラム政治、イラン政治史。「イラン~世界の火薬庫」(光文社新書)、「物語 イランの歴史」(中公新書)、「イラン革命防衛隊」(武田ランダムハウスジャパン)などの著書がある。近著に「黒い同盟 米国、サウジアラビア、イスラエル: 「反イラン枢軸」の暗部」(平凡社新書)。

ISに不気味な復活の兆し 東京五輪へのテロの懸念も

公開日: 更新日:

 米国のトランプ大統領は、今年3月23日にIS(イスラム国)の支配地域を完全制圧したと発表したが、8月上旬に米国防総省・監察官室が明らかにした報告書によると、ISがシリアでは復活しつつあり、イラクでも戦闘能力を強化しているという。その根拠として、ISと戦う現地武装勢力が一致協力して行動できず、奪還した地域の維持が困難になっていることなどが挙げられている。シリアでは、米国が支援するクルド人を主体とするSDF(シリア民主軍)はISと戦うために、より多くの訓練と軍備が必要だとも報告書で指摘されている。

 ところが、トランプ大統領は昨年12月にこのSDFを見捨てるかのように、米軍のシリアからの撤退を決定した。報告書では、シリアとイラクで活動するISのメンバーを1万4000人から1万8000人と見積もり、そのうちの3000人が外国人メンバーであると推定。ISはより安定した命令・指示系統、補給態勢を確立しながら暗殺、待ち伏せ、自爆攻撃を行っていると説明している。報告書は、トランプ大統領の完全制圧宣言があたかも「大本営発表」のように誇張されて、自分にとって都合のよいものであり、米政権内でのIS認識がまったく一致していないことを印象づけた。

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