著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

シリーズ「昭和の亡霊・7つの戦時用語」(18)皇国と天皇機関説

公開日: 更新日:
東京帝国大学法科大学長、貴族院議員を歴任した美濃部達吉は天皇機関説を主張して排撃された(1935=昭和10=年撮影)/(C)共同通信社

 皇国の柱は、天皇神権説(あるいは天皇主権説)を国家の解釈の土台に据えることであった。荒木貞夫をはじめとする軍内の皇道派は、なんとも目障りな天皇機関説を排撃しなければならないと考えた。そこで学者の蓑田胸喜などと呼応する形で天皇機関説は不忠の学問であると攻撃して、それまでの近代日本… 

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