読書の秋に肩慣らし 文庫で読むアンソロジー本特集(4)バーの常連客に託された小さなトランクの中身は…「プレゼント」伊坂幸太郎ほか著
「プレゼント」伊坂幸太郎ほか著
53歳の教子は、赤坂の路地奥に立つビルの2階にあるバーで、雇われマスター兼バーテンダーとして働く。オーナーはITビジネスで成功した弟夫婦で、3年前、夫を亡くした教子のために、職住を提供してくれたのだ。
これまで「お母さん」として生きてきた教子だが、若い頃に数年、バーで働いたことがある。バブルが崩壊して新卒で入った会社が倒産。その時の同僚に誘われ、彼女の叔父夫婦が銀座のはずれで営むバーで働いたのだ。店での仕事は面白かったが、ある時期から出入りするようになった客の大学生2人組に頭を悩ますようになった。そのことを察した客のカミジョウ氏からある夜、小さなトランクを預かって欲しいと頼まれる。後日、店に現れトランクを目にして騒ぎ出した2人組に、カミジョウ氏に言われた言葉をそのまま伝えると……。(宮部みゆき著「真実のトランク」)
現代を代表する作家が「夏」をテーマに書き下ろした小説という名の読者へのプレゼント。
(新潮社 825円)


















