読書の秋に肩慣らし 文庫で読むアンソロジー本特集(3)新聞配達のおじさんと我が家の猫が早朝デート!?「猫の物語」米原万里ほか著 蓑田沙希編

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 やはり、今年の夏も尋常ではない暑さで、こう暑いと思うように読書がはかどらないという人も多いのでは。そこで、読書の秋を前に、肩慣らしとしてホテルのバイキングのように好きなものがちょっとずつ楽しめるアンソロジーなどいかがだろう。

  ◇  ◇  ◇

「猫の物語」米原万里ほか著 蓑田沙希編

 午前3時半、原付バイクが止まる音がする。おじさんはいつものように鼻歌とともに敷地奥の義母の家に向かう。やがて我が家の廊下のガラス戸がトントンと叩かれる。するとリビングで寝ていたであろう「ねねこ」がガラス戸の内側に置いてあるキャットタワーをめがけて走る音が聞こえる。おじさんと2歳の三毛猫ねねこは窓越しに「会話」をしている。最初におじさんに構ってもらっていたのは先住猫のサバトラ「じゅんのすけ」氏だった。ある日、猫のおやつの袋が置いてあり、添えられた付箋紙に「朝新聞を入れさせてもらっている者です。毎朝猫ちゃんが待っててくれて癒されています。少しですが猫ちゃんに食べさせてください」と書かれていた。

 そんな新聞配達員と飼い猫、飼い主の交流を描いたタケダ2000GT氏のエッセーをはじめ、梶井基次郎や山本周五郎、宮沢賢治ら文豪から能町みね子ら現代の作家まで、愛猫家たちの猫にまつわる文章やマンガを収録した猫尽くし。

(河出書房新社 1078円)

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