• facebook  
  • twitter  
  • Facebook Messenger

「慰安婦問題」熊谷奈緒子著

 慰安婦問題の難しいところは政治と法、法と道義がからまり合っていること。今回の問題も2012年末には日韓両政府間で合意ができかけていたが、それぞれ衆院選と大統領選のために中断され、それが後に課題を残すことになったという。 

 国際関係論を専門とする著者は「慰安婦論争」の争点を洗い直す一方、慰安婦に類するものが他国や他の時代にあったかどうかを検証し、戦後の政府の取り組みやアジア女性基金による道義的補償の試みとその「失敗」、国際戦犯法廷の活動をたどっていく。現今の情勢下では最も客観的な「慰安婦問題研究」といえるだろう。ナチのユダヤ人狩りのような強制連行をしたという公文書はないが、それで慰安婦が「自由意思」によるとはいえない。元慰安婦でも人によって「補償」に対する態度は違う。歴史的な女性差別・搾取などの問題と照らし合わせた複眼的視点がなければ「強制」が「あった」「なかった」の水掛け論になってしまうのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のBOOKS記事

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ブームが去って「残念!」…ギター侍・波田陽区さんは今

  2. 2

    学長会見は“ガキの使い” 日大理事長が絶対表に出ない理由

  3. 3

    元財務省・田中秀明氏 官僚の「政治化」が生んだ忖度体質

  4. 4

    石原さとみに未練か “決断できない男”山下智久に心配の声

  5. 5

    日ロ会談は成果ゼロ プーチンに見切られた安倍首相の末路

  6. 6

    遺族の感情逆なで 堀内議員“高プロ”強行採決で大ハシャギ

  7. 7

    TVから消え10年超…小橋賢児さんイベント仕掛人になるまで

  8. 8

    天敵の籠池氏保釈で“劇場”再燃 高まる「6.20会期末解散」

  9. 9

    田中圭「おっさんずラブ」 女性ファン狂喜乱舞の“肉体美”

  10. 10

    テレ朝の刑事ドラマを追撃 “ダークな二宮和也”の心意気

もっと見る