「本があって猫がいる」出久根達郎著

公開日: 更新日:

 滋味あふれる文章と博識で読者を魅了する作家による最新エッセー集。

 過去の世相を知りたいときには、その年に発行された雑誌を開けばよいと、「主婦之友」昭和7年4月号掲載の小学校教員一家の生活の実態や、月刊誌に載った、婦人記者が女給になりすまし「エロサービス」ありのカフェに潜入する体験記を紹介。一方で司馬遼太郎記念館を埋め尽くす膨大な蔵書について語りながら、古本屋の店主の視点から古書についてつづる。かと思えば、働き始めたころの淡い恋や新婚初夜の思い出、そして、最後のペットと定めて迎え入れた猫のパルルとの暮らしなど日々の点景まで。自在な文章に酔う。

(晶文社 1600円)


最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    名球会入り条件「200勝投手」は絶滅危機…巨人・田中将大でもプロ19年で四苦八苦

  2. 2

    永野芽郁に貼られた「悪女」のレッテル…共演者キラー超えて、今後は“共演NG”続出不可避

  3. 3

    落合監督は投手起用に一切ノータッチ。全面的に任せられたオレはやりがいと緊張感があった

  4. 4

    07年日本S、落合監督とオレが完全試合継続中の山井を八回で降板させた本当の理由(上)

  5. 5

    巨人キャベッジが“舐めプ”から一転…阿部監督ブチギレで襟を正した本当の理由

  1. 6

    今思えばあの時から…落合博満さんが“秘密主義”になったワケ

  2. 7

    巨人・田中将大が好投しても勝てないワケ…“天敵”がズバリ指摘「全然悪くない。ただ…」

  3. 8

    高市早苗氏が必死のイメチェン!「裏金議員隠し」と「ほんわかメーク」で打倒進次郎氏にメラメラ

  4. 9

    世界陸上「前髪あり」今田美桜にファンがうなる 「中森明菜の若かりし頃を彷彿」の相似性

  5. 10

    三角関係報道で蘇った坂口健太郎の"超マメ男"ぶり 永野芽郁を虜…高畑充希の誕生日に手渡した大きな花束