「奇跡の詩人」もウヤムヤ…NHKが駆け込む“障害者路線”
他人の作曲で国民をダマした「現代のベートーベン」佐村河内守(50)。目下の問題は、本当は耳が聞こえているのではないかということだ。実際、ゴーストライターの新垣隆氏(43)は彼が聴覚障害者のふりをしていたと明言している。
ならばNHKの責任は軽くない。昨年3月、同局はNHKスペシャル「魂の旋律~音を失った作曲家~」を放送。これが話題を呼んで佐村河内は時の人となり、NHK出版は「魂の旋律―佐村河内守」(古賀淳也著)という本も出版した。
だがその一方で、「実は聞こえてるんじゃないか」という声も上がっていた。番組では、佐村河内は35歳で完全に聴力を失い、相手の唇の動きを読んで会話していると解説していたが…。
「佐村河内氏はサングラスをかけて会話していました。あの状況で相手の唇の動きを正確に把握できるか疑問に思っていました」(ノンフィクション作家の奥野修司氏)
NHKのスタッフが佐村河内のウソに気づいていたとしたら、共犯になりかねない。
「今回の騒動で思い出すのが12年前の“奇跡の詩人騒動”です」とはベテラン放送作家だ。02年4月、NHKは「奇跡の詩人」と題して、重度の脳障害を抱える11歳の少年を追跡取材した。