冬の血圧は「住まいの温度」が大きく影響する
「冬になると血圧が上がる」という話はよく聞きます。寒さで血管がギュッと縮まるから……といった説明もありますが、しずおか研究(静岡多目的コホート研究事業)において、「家庭での室温と朝・夕・睡眠時の血圧の関連性」についての興味深い論文が報告されています。
研究では70歳前後の779人を対象に、1週間にわたって自宅で朝・夕・睡眠中の血圧を計測しました。その結果、室温が1度下がるごとに、朝の収縮期血圧(上の値)が約0.86㎜Hg、拡張期血圧(下の値)が約0.34㎜Hg上昇することがわかりました。夜や睡眠中の血圧も同様の傾向がありましたが、特に朝と夕方の起きて動き出す時間で影響が大きかったのです。
面白いのは、睡眠中の血圧には部屋の温度の影響がほとんど見られなかったことです。これは、寝ている間の体の調節機能が優先されるためかもしれません。一方、朝起きて活動を始めると体は外部環境に敏感になり、温度変化が血管の反応として現れるのでしょう。
また、同論文では「年齢」がひとつの要因として関連しており、高齢者ほど室温変化による血圧上昇の影響を受けやすい傾向が示されています。これは、高齢者の血管が温度の変化に弱いという既報と一致しています。


















