宇和島市立簡野道明記念吉田町図書館(愛媛県)江戸と今とをつなぐ「城」
海と山の自然に恵まれ、真珠の生産量は日本一。闘牛が盛んな地域としても知られる愛媛県宇和島市に、立派な城のような建物がある。
瓦屋根を幾重にも重ね、白壁と木組みを基調とした外観。建物の手前には小川が流れ、その上に太鼓橋が架かっている様は、城郭の堀を思わせる。ここが図書館だと言われなければ、まずそうは思わない。
そんな宇和島市立簡野道明記念吉田町図書館のルーツは、戦前に活躍した漢学者・簡野道明にさかのぼる。遺族の寄付によって前身となる図書館が生まれ、数度の移転を経て1986年、現在の場所に定まった。
では、いったいなぜ、このような外観になったのか。主任の渡辺晃さんがこう話す。
「移転計画の際、『宇和島には立派な宇和島城がある。吉田にも……』といった声が多く上がりました。そこで、かつて吉田3万石を治めた伊達氏の陣屋(御殿)跡地に、町民の心のよりどころとなる施設を目指し、御殿の『玄関図』をもとに当館が生まれました。もっとも、内観は普通の建物と同じなので、安心してご利用いただけます」

















