阿部サダヲ本領発揮…骨太ドラマ「経世済民の男」は見応えあり
日本をつくった3人の経済人を取り上げて、その生涯を描くもので、この3人のチョイスも面白いが、それぞれがNHK東京、NHK大阪、NHK名古屋と制作局が違う。いわば3局の競演。お互い競い合わせることで、見応えのあるドラマになったのではと思う。
記念ドラマということで、制作費も潤沢にあると見えて、当時の町並みや暮らしぶりを再現したセットが素晴らしい。いかにも「金かかってるな~」という感じ。
お金をかければいいというものでもないが、ちゃんとそれなりにお金をかけて、いい脚本といい役者を揃えて、丁寧に作れば、いいドラマができるという好例だ。
惜しむらくは、話の展開が高速過ぎて、駆け足感が否めないこと。いっそのこと、人気のない大河ドラマ「花燃ゆ」を9月いっぱいで打ち切り、10月「高橋是清」、11月「小林一三」、12月「松永安左エ門」とやればよかったのにと思ってしまった。
(コラムニスト/桧山珠美)