著者のコラム一覧
中村竜太郎ジャーナリスト

1964年生まれ。大学卒業後、会社員を経て、95年から週刊文春で勤務。政治から芸能まで幅広いニュースを担当し、「NHKプロデューサー巨額横領事件」(04年)、「シャブ&ASKA」(14年)など数々のスクープを飛ばす。「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」では歴代最多、3度の大賞を受賞。2014年末に独立し、現在は月刊文藝春秋などで執筆中。フジテレビ「みんなのニュース」のレギュラーコメンテーター。

<第1回>突然の訃報。私は急いで自宅に向かった

公開日: 更新日:

「座頭市」「悪名」「兵隊やくざ」など数々の映画でスターとなった“不世出の天才”勝新太郎さんが下咽頭がんで亡くなったのは1997年6月21日。65歳だった。

 前年7月に同病を発病したが手術はせず、抗がん剤と放射線治療を続けていたが、その後の会見で勝さんは、記者の質問に「たばこはやめた」と言いながら、平然と目の前で喫煙してみたり、「お酒はね、ビールがうまいんだよねぇ」と言ってみたりと、まるで病気を恐れていないような口ぶりで話していた。「勝新太郎劇場」といわれたサービス精神旺盛なパフォーマンス。しかしそれが突然の訃報という形で返ってきたのだ。

 その日の昼に知らせを聞いた私は、急いで自宅に向かったが、すでに新聞記者やリポーターが詰めかけていて、喪服を着た業者や関係者がマンションをせわしなく出入りしていた。入院先の国立がんセンターに取材に行った記者と連絡を取りつつ、弔問客らに声をかけた。

「勝さんは今年の1月に入院先から自宅へ戻っているとき吐血したんです。喉のがんは放射線治療で完全に消えていたんですが、放射線を当てた部位に菌が繁殖して弱っていた。そのときは出血は止めたものの、『もう一度出血したら絶望的だ』と医師に言われていたそうです」

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