中南米の強豪は国を挙げてWBCに熱狂 ドミニカ、ベネズエラを支える野球ナショナリズム
今回のWBCで圧倒的な存在感を見せているのはドミニカ共和国とベネズエラの野球ナショナリズムだ。
ドミニカは人口が東京都とほぼ同じ規模の発展途上国で、「野球を食べて呼吸している」と言われるほど、野球が国民の間に広く深く浸透している。毎年、100人以上のメジャーリーガーを擁しているため、野球は4億ドル(約640億円)の経済効果を生み出す基幹産業の一つになっている。
ドミニカの野球ナショナリズムに火が付くきっかけになったのは、2013年の第3回大会制覇だった。スポーツの主要国際大会で一度も入賞経験がなかったドミニカ国民はWBC制覇に熱狂したが、次の第4回大会では、前回同様ドミニカ野球界のドンであるトニー・ペーニャを監督に据えて臨んだものの2次ラウンドで敗退。23年の第5回大会ではマイナーリーグの監督として実績があるロドニー・リナレスを監督に据えて大会に臨むも、予選プールで敗退した。
今回の第6回大会の監督には国民の誰もが納得する大物を監督に据える必要に迫られ、国民的英雄アルバート・プホルスが監督に就任。プホルスは参謀役のベンチコーチに兄貴分である通算2142安打のプラシド・ポランコ(タイガース他)を据え、投手コーチや打撃コーチには、知名度はないが、指導力に定評がある実務家を配した。そのため「プホルス指導部」は風通しのいい機能的なものになった。それが功を奏し、ドミニカはこれまでのような取りこぼしがなく、順当に準決勝に勝ち上がった。


















