映画「亀岡拓次」のモデル 宇野祥平は6畳一間の居候が原点

公開日: 更新日:

 脚光を浴びる主役ではないが、哀愁の漂う演技が人気で100本以上の映画に出演している。そんな名脇役の宇野祥平(37)は売れるまで、生花店の裏方、ボートレースの中継係、パチンコ店に建設現場、喫茶店などでのアルバイトで食いつないできた。

「何だっていい、手に職をつけなさい」って祖母に言われていたこともあって、高校を出てすぐ、働き始めました。最初は就職しましたが、すぐに辞めてしまい、花屋をやっている叔父の紹介で、別の花屋で働くことになりました。仕入れから搬入、掃除など裏方の仕事をしていました。花というと、オシャレで奇麗な印象があったんですけど、トラックから段ボール箱で搬入するのはとても重く、冬の水の冷たさといい、バラのトゲ抜きといい、大変な肉体労働でした。

 住んでいた大阪から、京都方面の香里園という駅の近くにある店で、電車で通いながら、「オッチャン」と呼んでいた店主からもらった本を読んでいたときでした。花の本で、オッチャンが心から花を好きなんだなあと思ったんです。そのとき浮かんだのが、小さいころ、祖父に連れられた映画館のこと。旧作3本立てなどを大人たちに交じって見上げていて、「日本一!」と確か勝新さんに声が上がるのを聞きながら、スクリーンの向こう側にはすごいものがあると思っていた。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高画質は必要ない? 民放各社が撤退検討と報じられた「BS4K」はなぜ失敗したのですか?

  2. 2

    気温50度の灼熱キャンプなのに「寒い」…中村武志さんは「死ぬかもしれん」と言った 

  3. 3

    広陵暴力問題の闇…名門大学の推薦取り消し相次ぎ、中井監督の母校・大商大が「落ち穂拾い」

  4. 4

    巨人阿部監督はたった1年で崖っぷち…阪神と藤川監督にクビを飛ばされる3人の監督

  5. 5

    (4)指揮官が密かに温める虎戦士「クビ切りリスト」…井上広大ら中堅どころ3人、ベテラン2人が対象か

  1. 6

    U18日本代表がパナマ撃破で決勝進出!やっぱり横浜高はスゴかった

  2. 7

    日本ハム・レイエスはどれだけ打っても「メジャー復帰絶望」のワケ

  3. 8

    志村けんさん急逝から5年で豪邸やロールス・ロイスを次々処分も…フジテレビ問題でも際立つ偉大さ

  4. 9

    佐々木朗希いったい何様? ロッテ球団スタッフ3人引き抜きメジャー帯同の波紋

  5. 10

    (2)事実上の「全権監督」として年上コーチを捻じ伏せた…セVでも今オフコーチ陣の首筋は寒い