「家族はつらいよ」がヒット 山田洋次監督に再び全盛期が

公開日: 更新日:

【大高宏雄「エンタメ最前線」】

 山田洋次監督がとても元気だ。現在84歳。「母と暮せば」に続いて演出した「家族はつらいよ」がヒットしているのである。2週目にして、すでに興収8億円を突破。15億円以上が射程に入った。

 今月、授賞式があった第39回日本アカデミー賞で、二宮和也が最優秀主演男優賞を受賞した「母と暮せば」は最終で19億円前後まで伸びるという。「家族はつらいよ」と合わせると、何と40億円近くまで見込めそうだというから驚く。

 50年以上にわたる監督生活の中で、ここまで短期間でヒットが続いたのは珍しい。失礼ながら、ひょっとして再び監督の全盛期がやってきたのかもしれない。

「家族はつらいよ」はある熟年夫婦の離婚話を面白おかしく描く。なぜ、妻は離婚を言い出したのか。夫の日常のがさつな所作が気に食わなくなったのだ。「わかる、わかる」という女性も多いだろう。ここに、古い道徳観に縛られてはいない本作の見どころがある。

 映画館をのぞいてみると、面白い光景に出合うことができる。館内が多くの年配の観客たちの笑い声で包まれ、一方で泣いている人も見かけるのである。映画館に、かつての「寅さん」シリーズのような活気が戻ったかのようだ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ