若き日は俳優志望 いっこく堂さん語る“腹話術師への転機”

公開日: 更新日:

 こう考え、区立図書館で「だれにもできる腹話術」という入門書を借りてきて、独学で腹話術に取り組みました。ラッキーだったのは、人形製作です。市販されていないどころか、おいそれと入手できないのが大きなネックだったのですが、民藝演出部の照明家・秤屋和久さん(故人)が「文楽人形の製作、修理に携わったことがある」とオリジナルで作ってくださったのです。

 それが初代カルロス・セニョール・田五作君。さらに、2体の人形で同時腹話術に挑戦したいと要望したところ、ジョージ君も作ってくれました。これも民藝に所属したからこそ可能だったわけで、すごくラッキーでした。

 そして91年暮れ。米倉さんに「退団して腹話術師になりたい」と相談したら、「いつでも戻れるように籍は置いといていいから」と休団扱いにして、背中を押してくれたのです。それだけではありません。後日、さまざまな団体に出演交渉に出向く際に紹介状を書いてくださいました。それには、「私の人生でたった一人の弟子」「人々を笑わせるだけでなく、安らぎを与える芸人である」「魂の芸人」などと、身に余る推薦のお言葉が便箋5、6枚にびっしり。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    国分太一が社長「TOKIO-BA」に和牛巨額詐欺事件の跡地疑惑…東京ドーム2個分で廃墟化危機

  2. 2

    遠野なぎこさんか? 都内マンションで遺体見つかる 腐乱激しく身元確認のためDNA鑑定へ

  3. 3

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  4. 4

    ドジャース大谷翔平に「不正賭博騒動」飛び火の懸念…イッペイ事件から1年、米球界に再び衝撃走る

  5. 5

    “過労”のドジャース大谷翔平 ロバーツ監督に求められるのは「放任」ではなく「制止」

  1. 6

    酒豪は危険…遠野なぎこが医学教授に指摘された意外な病名

  2. 7

    今度は井ノ原快彦にジュニアへの“パワハラ疑惑”報道…旧ジャニタレが拭い切れないハラスメントイメージ

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    近年の夏は地獄…ベテランプロキャディーが教える“酷暑ゴルフ”の完全対策

  5. 10

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去