悩む日々が楽に…桑野信義を救った志村けんの笑顔と一言

公開日: 更新日:

 ミュージシャンで“くわまん”のニックネームでも親しまれるタレントの桑野信義さん(61)。コメディアンになりたての頃は悩む日々を送った。

 ◇  ◇  ◇

「100%、力を出そうと思わなくていいよ。80%でいいの。残りの20%は万が一の不測の事態に備えて、とっておくんだよ」

 1989年の夏、下北沢の本多劇場の楽屋で「志村けん田代まさしのだいじょうぶだぁファミリー」というコントをメインにした舞台をやってた時のことです。その頃、バラエティーに行き詰まりを感じて、志村さんに「オレ、自信ないんですよ」って話したら、笑顔でこう答えてくれたんです。

「え? 130%出すつもりで頑張って、本番の時に100%出せればいいんじゃないんですか」と思わず問い返すと、「それじゃ、余裕がないでしょ。肩の力は抜いた方がいい」。その瞬間、随分気が楽になりました。「もうバラエティーから足を洗おうかな」って思ってたくらい悩んでいましたから。

 もともとトランペッターで、幼稚園から中学まで1つ先輩だった鈴木(雅之)さんに誘われてバンド「シャネルズ」に入り、デビューしたのが80年。83年に「ラッツ&スター」に改名後も「め組のひと」などのヒット曲に恵まれました。一方、コンサートではコント的要素を加味した構成が評判で、ドリフターズの「8時だョ!全員集合」にもよく出させてもらってたんです。そんな折、86年に「いったん活動を休止して、それぞれが得意とする分野、好きなジャンルの仕事をして、タイミングが合えば一緒に音楽活動をしよう」ということになり、鈴木さんはソロ、バス(ボーカル)担当だった佐藤善雄さんは音楽プロデューサー、僕はバラエティーとメンバーは新たな道を歩み始めました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」