「おまえレベルの話はしてない」芦沢央著

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「おまえレベルの話はしてない」芦沢央著

 芝は20歳でプロの棋士になって、当初はタイトルへの野心を公言していたが、やがて口にしなくなり、研究会にも誘われなくなった。

 芝と中条と謙吾は奨励会に入ったときも三段に上がったときもほぼ同じだった。だが、芝と謙吾がプロになった後も中条は三段リーグにいる。

 芝と謙吾が対局したとき、中条が記録係を務めた。中条が芝に「残り1分です」と声をかける。謙吾が5六金を打った。芝は手を読み切られていると悟る。飲んだ水が喉を落ちていく。中条が「50秒、1、2、3、4……」とカウントする。芝の声がした。「負けました」。

 プロ棋士を目指した男たちの嫉妬や羨望がぶつかりあう青春小説。 (河出書房新社 1815円)

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