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大高宏雄
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大高宏雄映画ジャーナリスト

松田龍平が淡々と 映画「泣き虫しょったんの奇跡」で妙味

 瀬川晶司五段の自伝的作品だ。幼いころから将棋のプロだけを目指す人生とは、いったいどういうものなのか。羽生善治や谷川浩司たちのように突出した天才ではないが、才能はある。この役柄は難しい立ち位置だが、龍平はその難役に「普通さ」という武器をもってきた。

 泣く、悩む、焦る。それらの動作や気持ちの表現をオーバーアクトにはしない。日常性の中に染み込ませるように、淡々と普通に演じてみせたのである。ふてくされて、妙に格好つけたりもしない。

 これが逆に見る者に迫ってくるのだ。多くの普通の人たちに同じ人生を感じさせるのである。良かったと思う。

 松田龍平には、これからも注目していく。まだまだひとつのところに収まる俳優ではないからだ。彼の「泣き虫しょったんの奇跡」をお忘れなく。

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