会計士に聞く 平尾昌晃さん遺産相続問題のカラクリと教訓

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 相続税を払うための財産目録もずさんなものだった。

「平成29年12月に出された内訳書は、手元現金は0円、預貯金5口座と合わせて計167万円。平尾昌晃氏の確定申告収入額面は2億円を超えているのにおかしいと問い詰めると、30年の相続税支払期限の6日前、5月15日に手元現金が1200万円、預貯金15口座、計2800万円に修正されました。相続税は暫定試算で支払い、再度確認中ですがM夫人側は開示しません」

■「士業を安易に信用するな」

 金額面では特に会社帳簿の貸借対照表も矛盾だらけだったという。平尾氏の収入は、JASRACの印税は個人、JASRAC以外の印税は平尾昌晃音楽事務所、出版社との著作権契約はエフビーアイプランニングという3つの受け入れ先を設けていた。

「平成25年から計算が合わない貸借対照表が添付されていました。経理上は40年前に撤廃されているはずの『出資金』や、『当期未処分利益』というありえない項目も記されていました。さらに不可解極まりないのは、自社株の動きです。M夫人が平尾音楽事務所の社長に就任すると、子会社のエフビーアイプランニングが持っていた親会社株1万7000株が親会社に評価額(固定資産税を払う時のもの)の850万円で戻されていた。子会社の持ち株を平尾音楽事務所に移せばM夫人が社長ですから、株を単独所有できるという算段です。ですが、法人間の買い取りは時価でなければならないし、3000株しか所有していない平尾音楽事務所が1万7000株も取得することは配当可能利益を超える商法違反。しかも、M夫人の社長就任に関し株主総会も行われていない。すべてが違法なのです」

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