『タックスマン』の終始ノリノリの演奏は全213曲の中でも屈指の部類
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アルバム『リボルバー』(1966年8月5日発売)②
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■『タックスマン』
アルバムがジョージの歌から始まるというのも新鮮だが、歌詞のテーマが「重税」というのもまた新鮮。ビートルズがいよいよ新局面に向かっていくことの、分かりやすい証しである。
アルバム『ラバー・ソウル』収録、同じくジョージによる『嘘つき女』という曲の解説で、「女性批判に見せかけた政治批判の歌」と書いたが、こちらはもっと直接的である。「あんたの取り分は1、私には19」と、法外な税金をふんだくっていく税務署マンの歌なのだから。
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そういえば冒頭に、変なカウント(リズムと同期していない)が入っているが、お金を数えている声だという説もあり。
始終ノリノリの演奏は、アルバムを超えて、ビートルズ全曲の中でも屈指の部類。特にポールのベースはすさまじく、「♪レッ・レレッラ・ソラド・ッ」(レ=D)と跳ね上がるフレーズは、ひとつの発明といっていい。
このフレーズ、その後、日本にも飛び火する。1970年前後の映画やドラマで、ディスコで若者(イメージ:関根恵子)が踊り狂うシーンのとき、生バンドのベースは大体このフレーズ(に似たフレーズ)を弾いている。新しいところ(といっても40年前だが)では、レベッカ『ラズベリー・ドリーム』(86年)が、この「タックスマン・ベース」だった。
また、ベースだけでなく、ギターソロもポールというから恐れ入る。この曲の何ともけたたましいリードギターは、前回書いた「エレクトリックでハードで金属的」というアルバム全体の印象を象徴するものである。
また、ジョージの曲になると、ポールが攻めたベースを弾くというのも、先の『嘘つき女』と共通だ。その後の『ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス』(68年)や『サムシング』(69年)という、ジョージによる名曲でも、ポールが攻め攻めベースを聴かせるので、お楽しみに。
それにしても、さらに攻めているのが、冒頭に触れたジョージの歌詞だ。「ウィルソン」(当時の英首相・労働党)と「ヒース」(同保守党党首、のちの英首相)という実名が出てくるし、ラストの「あんたが働いているのは、誰のためでもなく私のためさ」という税務署マンの言葉なんて、確定申告のとき、私が何度も思い出すフレーズである。
日本でも誰か、翻訳して歌ってくれないものか。「ウィルソン」のところを「サナエ」に変えて。
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