利上げ不発で1ドル160円台と“無風”のまま…企業の切望相場「136.8円」との乖離ちっとも縮まらず
インフレ増税大歓迎の高市政権の圧力にさらされる日銀がようやく動いた。日銀は16日の金融政策決定会合で、政策金利を現行の0.75%程度から1.0%程度に引き上げることを決定。利上げは昨年12月以来4会合ぶりだ。利上げは買い材料にもかかわらず、16日の東京外為市場の円相場はほぼ無風。企業も切望する円安是正効果はちっとも表れない。
学者出身の植田総裁は肝嚢胞感染症の治療で先週から入院中。総裁が議決権を行使できない中、政策委員8人で行われた異例の会合では1人だけが利上げに反対した。日銀が「物価の番人」の務めを果たそうとしたものの、16日の円相場の取引は1ドル=160円台前半。市場が日銀の動きを織り込んでいた上、ECB(欧州中央銀行)に続いてFRB(米連邦準備制度理事会)にも利上げ観測が浮上しており、欧米との金利差縮小が期待できず、円安は是正されないとみられたためだ。
一方、東京商工リサーチ(TSR)の為替に関する企業調査(1~8日実施、有効回答6605社)によると、5月末の1ドル=159円前後の為替レートで「経営にマイナス」と回答した企業は40.7%。望ましい円相場の平均値は1ドル=136.8円、中央値は1ドル=140円だった。足元の為替レートと比べ、20円以上も乖離している。1ドル=136円台で推移していたのは、ちょうど4年前の2022年6月。ロシアによるウクライナ侵攻が引き金の資源高騰で円売りが広がった。
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