(23)やっと帰ってこれたよ…3カ月半ぶりに自宅に戻った母の呟き

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 およそ3カ月半ぶりの外出になるおかんは出発時に硬い表情があったものの、お気に入りのパン屋で買い物をするとニコニコ顔に変わっていた。車の中に甘いパンの香りが充満する中、つまみ食いまで始めた。

「あーおいしい。病院のご飯とは大違いだよ」

 ご満悦だ。次に寄ったのは道の駅。ここでも好物の太巻きを買うと、一路自宅へ。駐車場に車を入れるとおかんは感慨深げな顔で呟いた。

「やっと帰ってこれたよ」

 これは息子たちへの皮肉を込めた言葉だったかもしれない。兄と顔を見合わせ苦笑しつつ車から降ろすと、最初の難関に挑んだ。自宅は前の道路から高い位置にあり、玄関まで8段の階段があるのだ。ふたりがかりで一歩一歩、慎重に介助する必要があった。

「あまり大袈裟にしないで、ご近所に見られたら恥ずかしい」

 相変わらずの強気な言葉に「はいはい」と聞き流しながら介助を続け、玄関を開け、上がりかまちに座らせ靴を脱がせる。

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