舞台は福島・双葉町 中江裕司監督語る「盆唄」の存在理由

公開日: 更新日:

 このままでは盆唄が消滅してしまう……。そんな中、100年以上前に福島からハワイに移住した人たちが伝えた盆踊りが「フクシマオンド」として踊られていることを知り、横山さんたちはハワイに向かい、移民の子孫たちに盆唄を指導。そして双葉町各地区の盆唄を集めた盆踊りを復活させようと思い立つ。

「横山さんが『双葉がふるさとというのは大人のエゴ。子どもたちには避難先がふるさと』と撮影中に話してくれました。この映画は<大震災で避難した人々の営みを描いたもの>です。そこから<移民>につながっていき、福島とハワイが改めてつながりました」

 5年や10年という時間ではなく、長いスパンで考えるために富山から福島に移り住んだ人の物語を映画に盛り込んだ。 

「いつか双葉町の人たちが、ふるさとに戻って大震災で亡くなった人、ご先祖さまたちと一緒になって踊っている――。最後のシーンは50年先、100年先のイメージで撮りました。今はこんな光景を夢想しています。全国の劇場で盆唄が鳴り響き、最後に観客の皆さんが立ち上がって踊っていただけたら、こんな幸せなことはありません」 

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず