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本橋信宏作家

1956年、埼玉県所沢市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。私小説的手法による庶民史をライフワークとしている。バブル焼け跡派と自称。執筆はノンフィクション・小説・エッセー・評論まで幅広い。2019年、「全裸監督」(太田出版/新潮文庫)が、山田孝之主演でNetflixで映像化配信され大きな話題に。最新刊に「花街アンダーグラウンド」(駒草出版)などがある。

消え入りそうな声でしのぶは「わたし…仕事が…したい」

公開日: 更新日:

 しかし生きなければならない。

 あれだけ仕事がしたかったのに、永遠にできないしのぶのためにも。

 やれる仕事といったら、堀江しのぶ以上の才能を見つけ出し、育て上げることだけだった。

 錦糸町のマンションにも六本木の事務所にもほとんど帰らず、目黒区青葉台の村西とおるがプロデューサーを務めるパワースポーツに毎日詰める日々がまた始まった。

 白い壁面、前面が丸いアーチ形になった、バブル期に建てられた象徴的な4階建てのビルが、村西とおるたちが寝泊まりして働くパワースポーツの社屋だった。

 数日ぶりに訪れた野田に、村西とおるはコンビニの袋を手渡した。

 もろもろの必要経費を含めたプロデュース料300万円が袋の中身だった。

 まだ次の仕事に取りかかり、成功したわけでもないのに、村西とおるは野田の窮状を察知して、何の条件もつけずに手渡した。

(つづく)

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