吉本社長会見で連呼「ファミリー」比喩はなぜウサンくさい

公開日: 更新日:

 お笑いの事務所から、笑いが消えた。

 吉本興業は芸人も社長も会見で泣きっぱなし。テレビに映る所属タレントも、このネタになるとお葬式に参列しているような神妙な顔つきになる。それだけに事の重大さが浮き彫りになるが、気になるのは会見で岡本社長が言った「ファミリー」という言葉。田村亮も会社側に「おまえはファミリーだ」と言われたそうで、これに亮は「謝りたいという子供を止める親はいない」と反発した。

 ファミリーや家族という言葉は、しばしば運命を共にするときの比喩表現として使われる。「会社は家族」「チームはファミリー」といった具合だ。使う側は組織の結束を高めようと思って選んでいるのだろうが、なぜかこのワードを耳にした途端、すべてがウサンくさく感じる。「タカアンドトシ」のタカも、SNSに「ファミリーって(中略)意味わかってんのかなぁ」と投稿していた。

「家族だったらどんなときも支え合うものだ、という前提がそもそも違うかもしれないと誰もが感じているからではないか」と言うのは、お茶の水女子大名誉教授の土屋賢二氏。確かにファミリーは助け合うばかりの関係ではない。親が子供を殺したり、子供が親を殺したりする事件は後を絶たない。歴史を振り返ってもきょうだいや親子で殺し合っている。相続が“争続”になることも日常茶飯事だ。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ